【鉄筋工事】現場施工管理で役に立つの基本知識を解説

鉄筋工事

現場施工管理や一級建築士試験で役に立つ

鉄筋工事の基本知識を解説

 

鉄筋工事について材料について、鉄筋の加工について、鉄筋の組立についての現場施工管理での基本知識を解説します。

 

【現場監督】施工管理や一級建築士試験の試験に役立つ知識のまとめ

材料について

 

鉄筋の種類には丸鋼と異形鉄筋鋼がありますが、ほとんどの場合異形鉄筋鋼を使用します。

 

異形鉄筋鋼は鉄筋とコンクリートの付着力を増大させるために表面にふしとリブを付けることで丸鋼に比べ許容付着応力度が約67%大きくなります。

 

鋼材の JIS規格品には必ず鋼材検査証明書ミルシートが添付され JIS 認定工場で実寸の規格に基づいて管理試験及び検査結果を記載した証明になります。

 

鉄筋工事では鉄筋のかぶり厚さを確保するためにスペーサーが使用されます。

 

バーサポートおよびスペーサーの種類はコンクリート製、鋼製としモルタルは強度及び耐久性が十分でないので使用してはいけません。

 

(側面に限りプラスチック製を使うことができます。)

 

鉄筋加工

 

鉄筋工事での鉄筋はあらかじめ工場で加工して現場に搬入し組み立てることで効率化を図ってます。

 

 

鉄筋の切断、曲げなどの加工作業は常温でおこなうことを原則としています。

 

加工寸法の許容差について

 

項目 許容差
計画共用期間の級
一般・標準 長期
各加工寸法 主筋 D25以下 ±15 ±10
D29以上D41以下 ±20 ±15
あばら筋・帯筋・スパイラル筋 ±5 ±5
加工後全長 ±20 ±15

 

柱、梁、基礎の資金の折り曲げ形状

 

折り曲げ角度 直線部分余長
180° 4d以上
135° 6 d以上
90° 10d以上

 

 

鉄筋の折り曲げ内法の直径

 

鉄筋の種類 鉄筋径による区分 鉄筋の折り曲げ内法の直径
SD 295 A

SD 295 B

SD 345

D 16以下 3 d 以上
D 19〜 D 38 4 d以上
D 41 5d以上
SD 390 D 41以下 5d以上

 

帯筋は原則として135°と折り曲げ余長6d以上とします。

 

あばら筋は原則として135°折り曲げ余長6d以上とします。

 

T 型ばりのあばら筋をU字型とする場合、上部のタイとなるあばら筋は折り曲げ角度90°余長8d以上になります。

 

以下に示す鉄筋の末端部にはフックを付けなければいけません

 

・丸鋼

・あばら筋及び帯筋

・片面10d両面5d以上のフレアグルーブ溶接などで継ぐ場合を除く

・煙突の鉄筋

・柱及びはりの出隅の鉄筋

 

加工された鉄筋は組み立てに先立ち、浮きサビ、油類、ゴミ、土などコンクリートの付着を妨げる恐れがあるものを除去すします。

 

ただし鉄筋表面のごく薄い赤錆はコンクリートの付着に影響が少ないので除去しなくても良いですが浮き錆や粉上になるような赤さびはワイヤーブラシなどで取り除きます。

 

鉄筋の組立

 

加工された鉄筋は施工図に従って正しい位置にコンクリートの打ち込みで動かないように結束線を使用し固定します。

 

スペーサー間隔

 

部位 スラブ はり
数量または配置 上端筋、下端筋それぞれ1.3個/㎡程度 間隔1.5 m 程度

端部は1.5 mm以内

上段は梁下より0.5m程度

中段は柱脚と上段の中間

柱幅方向は1.0mまで2個

1.0m以上3個

 

組み立て

 

柱・梁主筋と帯筋あばら筋との結束は四隅において全数行い、その他交点においては半数以上行います。

 

壁スラブの鉄筋の交点は半数以上を結束します。

 

あき寸法

 

あきの最小寸法は以下のうち一番大きい数字とします。

 

・粗骨材の最大寸法の1.25倍

・25mm

・鉄筋径の数値の1.5倍(鉄筋径が異なる場合は平均値)

 

鉄筋の定着及び継手

 

鉄筋の定着とは仕口において部材相互の一体化を図るため一方の部材の鉄筋を応力伝達の目的として他方の部材の中に延長して埋め込むことです。

 

継手とはコンクリート部材の中で鉄筋を連結させるために接合する方法のことです。

 

継手の方法には重ね継手、ガス圧接継手、特殊継手などがあります。

 

異形鉄筋の定着及び重ね継手の長さ

種類 コンクリートの

設計基準強度(N/m㎡)

重ね継手の長さ(L1) 定着の長さ
一般(L2) 下端筋(L3)
小梁 スラブ
SD295A

SD295B

SD345

18 45d直線または

35dフック付き

40d直線または

30dフック付き

25d直線または

15dフック付き

10dかつ

100mm以上

21~27 40d直線または

30dフック付き

35d直線または

25dフック付き

30~45 35d直線または

25dフック付き

30d直線または

20dフック付き

48~60 30d直線または

20dフック付き

25d直線または

15dフック付き

SD390 21~27 45d直線または

35dフック付き

40d直線または

30dフック付き

30~45 40d直線または

30dフック付き

35d直線または

25dフック付き

48~60 35d直線または

25dフック付き

30d直線または

20dフック付き

 

d は異形鉄筋の呼び名の直径数値のことです。

直径の異なる鉄筋の重ね継手の長さは細い方のdにあわせます。

 

重ね継手の長さは鉄筋の折り曲げ起点間の距離とし末端のフックは継手長さに含みません。

 

鉄筋の継手は原則として応力の小さい位置でかつ常時コンクリートに圧縮応力が応じている部分に設けると良いです。

 

鉄筋のかぶり厚さ

 

鉄筋のかぶり厚さとは鉄筋表面とこれを覆うコンクリートの表面までの最短距離のことです。

 

目地がある場合は目地の底から最小かぶり厚さを確保します。

 

基礎における捨てコンクリートの厚さはかぶり厚さに算入しません。

 

杭基礎の場合は杭頭からの最短距離がかぶり厚さとなります。

 

設計かぶり厚さと最小かぶり厚さの規定

部位 設計かぶり厚さ 最小化かぶり厚さ 建築基準法施行令
土に接しない部分 屋根スラブ

床スラブ

非耐力壁

30以上

(屋外仕上げなしの場合のみ40以上)

20以上

(屋外仕上げなしの場合のみ30以上)

20以上

耐力壁

40以上

(屋外仕上げなしの場合のみ50以上)

30以上

(屋外仕上げなしの場合のみ40以上)

30以上
擁壁 50以上 40以上
土に接する部分 50以上 40以上 40以上
70以上 60以上 60以上

 

最小かぶり厚さを確保するため施工にあたっては柱・梁などの鉄筋のかぶり厚さの最小値に10 mm 加えて加工することを設計かぶり厚さと言います。

 

ガス圧接

 

鉄筋径19ミリ以上の継手にはガス圧接で繋げることで連結させて一体のものとします。

 

作業工程

 

グラインダー掛け

突き合わせ軽く加圧

標準炎で加熱

加圧しながら加熱

 

圧接作業

 

圧接面の加工

 

鉄筋圧接機に取り付けた時、鉄筋の突き合わせ面の隙間を3 mm 以下でなるべく密着するようにします。

 

圧接の状態

 

接合部のふくらみの直径は原則として鉄筋径の1.4倍以上です。

 

接合部の膨らみの長さは。鉄筋径の1.1倍以上で垂れ下がりがないようにします。

 

鉄筋中心軸の偏心量は鉄筋径の1/5以下にします。

 

膨らみの頂部から圧接面のずれは鉄筋径の1/4以下にします。

 

発送完了後の検査

 

ガス圧接完了検査には外観検査、破壊検査、非破壊検査があります。

 

外観検査

 

外観検査は原則として圧接箇所点数行います。

 

圧接部分の形状を検査すると同時に圧接し忘れ箇所を点検します。

 

破壊検査

 

非破壊検査の方法は超音波探傷検査になります。

 

検査箇所は1作業班が1日に施工した圧接箇所を1検査ロットとして30箇所行います。

 

破壊検査

 

引張試験は現場で抜き取った鉄筋を公的試験機関で引張試験機にかけて切断するまで引っ張り、基準を満たす強度を持っているか判断する試験です。

 

引張試験による抜き取り試験の試験箇所数は1作業班が1日に施工した箇所とし採取数は1ロット3本です。

 

不良圧接の補正

切り取って再圧接 再加熱で修正が可能
① 軸心のくい違いが1/5dを超えた場合

➁ 圧接面のずれが1/4dを超えた場合

➂ 形状が著しく不良なもの、またはつば形の場合

① ふくらみの径が1.4dに満たない場合

➁ ふくらみの長さが1.1dにみたない場合

➂ 圧接部に著しい曲がりを応じた場合

 

【現場監督】施工管理や一級建築士試験の試験に役立つ知識のまとめ

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