生コン試験の内容ついて!
5つの基準を満たして品質が確保
生コンの試験には主にスランプ試験、空気量試験、塩化物量試験、コンクリート温度、圧縮強度試験がありそれぞれが基準を満たすことで配合強度にあった品質が確保できます。
試験の内容について解説します。
【現場監督】施工管理や一級建築士試験の試験に役立つ知識のまとめ
スランプ試験
スランプ値を求めるための試験のことで生コンクリートの打設作業の施工しやすさを調べるもので流動性を示す値のことです。
生コンクリートはスランプ値が大きいほど、流動性が高く施工しやすいということになりますが高すぎると水セメント比が高くなり強度が低くなります。
建築工事に使用される生コンクリートのスランプ値は15cm~18cmが多く、土木工事では建築工事よりスランプ値が低く、強度の高い生コンクリートが使用されます。
試験の手順
スランプ台板と呼ばれるステンレスなどでできた板を水平に設置します。
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スランプコーン(円錐状で筒形の入れ物)をスランプ台板の中心に置き固定します。
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スランプコーンの中に生コンクリートを詰めて突き棒で突きながらいっぱいになるまで詰めてスランプコーンの上面をコテでならします。
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スランプコーンを約3秒をかけて静かにスランプコーンを垂直に引き上げます。
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スランプ台板上に残った生コンクリートの中央部の高さが30cmから何cm下がったかスランプ検尺を用いて0.5cm単位で測定します。
スランプ値の基準
スランプ値が大きければその分頂部の高さから下がっているので生コンクリート流動性は高くなります。
高流動コンクリートなど流動性が高すぎると生コンクリートは、スランプコーンを引き抜いたとき水溜り状に拡がってしまいます。
その場合はスランプ値の代わりに、試験体生コンクリートの広がりの直径の値をスランプフローとして用います。
空気量試験
生コンを練るときにAE剤(Air Entraining 剤)を混ぜることでコンクリートの中に微少な空気粒を生じさせて打設作業能率、耐凍性を向上させます。
水をたくさん入れない状態でコンクリートの流動性を高めるので、コンクリートの強さや耐久性を向上させることができますが空気量が多すぎと強度が下がってしまうので許容範囲に収まることが大切です。
試験方法としては、容器にコンクリートをいっぱいに詰めて密閉し、圧縮を加えて測ります。
許容範囲について
普通コンクリート 4.5±1.5%
軽量コンクリート 5.0±1.5%
舗装コンクリート 4.5±1.5%
高強度コンクリート 4.5±1.5%
塩化物量試験
コンクリート中にある程度以上の塩化物が含まれていると、コンクリート中の鉄筋がさびやすくなります。
生コンに使用する砂が海砂の場合に塩分を含みますが、海砂以外にも、混ぜ水や混和材など他の使用材料にも塩化物を含むものがあるため、最終練り合わせを行ったもを規定しようとしたものです。
試験方法も各種あり、最も簡単で最も良く使用されているものでは、カンタブがあり、塩素イオン量 0.30kg/m3以下と規定されています。
コンクリート温度
温度の基準
コンクリートには、温度に関連する色々な基準があります。
温度と打込み時間の管理
25℃以下の場合には練り混ぜから120分で打設完了しなければなりません
25℃超える場合には練り混ぜから90分で打設完了しなければなりません
温度と打重ね時間の管理
25℃以下の場合には練り混ぜから150分で打設完了しなければなりません
25℃超える場合には練り混ぜから120分で打設完了しなければなりません
寒中コンクリートと暑中コンクリートの荷卸し時の温度管理
寒中コンクリートは、冬期に施工するコンクリートで寒い時期は、コンクリートが凍結する恐れがあるので適切な対応が必要です。
暑中コンクリートは、夏期に施工するコンクリートで暑い時期は、コンクリート中の水分が蒸発し、ひび割れなど生じる心配があるので適切な対応が必要です。
圧縮強度試験
コンクリートの圧縮強度は、コンクリートが上から下に押しつぶすようにかかる圧縮力にどれくらい耐えられるかを示したものです。
圧縮強度試験方法
円柱状のコンクリート試験体の上下端面に圧縮力を加えて試験体が破壊するまでに試験機が示した最大荷重(N)を試験体の断面積(㎜2)で除して圧縮強度(N/㎜2)(ニュートン・パー・平方ミリメートル)を求めます。
単位はN/mm2(ニュートン・パー・平方ミリメートル)で例えば21N/mm2なら10㎝角のコンクリートで21トンの重さに耐えられる強さになります。
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