【生コンの配合】強度や品質施工性が大きく変わる重要な配合

コンクリート工事

生コンの配合で強度や品質施工性が

大きく変わるのでとても重要

 

建築や土木の構造物の種類によって適した生コンの配合を使用します。

 

生コンの配合についての説明と配合に大きく関わる、呼び強度、スランプ、粗骨材の最大寸法、水セメント比について解説します。

 

【現場監督】施工管理や一級建築士試験の試験に役立つ知識のまとめ

配合とは

 

呼び強度、スランプ、粗骨材の最大寸法の数値の組み合わせのことです。

 

呼び強度 (単位:ニュートン)

 

28日経過した後のコンクリートに予定される圧縮強度です。

 

18、21、24、27、30、33、36で表示され、さまざまな強度のコンクリートを製造しています。

 

単位はN/mm2(ニュートン・パー・平方ミリメートル)で例えば21N/mm2なら10㎝角のコンクリートで21トンの重さに耐えられる強さになります。

 

呼び強度=品質基準強度+構造体強度補正値

 

品質基準強度

 

設計基準強度と耐久設計基準強度を確保するための強度で、2つのうち数値の大きい方が品質基準強度の値となります。

 

品質基準強度=設計基準強度

もしくは

品質基準強度=耐久設計基準強度

 

設計基準強度

 

構造計算に用いる許容応力度を決定した強度のことです。

 

耐久設計基準強度

 

ある期間の間、重大な劣化が生じないように、耐久性上必要な圧縮強度の基準値で建物に必要な耐久性のことです。

 

短期(おおよそ30年)18N/mm²

標準(おおよそ65年)24N/mm²

長期(おおよそ100年)30N/mm²

超長期(おおよそ200年)36N/mm²

 

構造体強度補正値

 

生コン工場が保証するのはミキサー車の出口で取り出した生コンを常温(摂氏20℃)で保管して28日経過した供試体の強度です。

 

現場の型枠内に流されるコンクリートは,寒い時には寒い状態になるので気気温条件が不利な状態になります。

 

構造体強度補正値で,3N/mm2または6N/mm2を加算することで気温の不利な状態を補っています。

 

スランプ

 

フレッシュコンクリートのスランプは生コンの柔らかさの数値です。

 

スランプコーン(上の内径が10cm、下の内径が20cm、高さが30cmの鋼製中空のコーン)にコンクリートをつめて、コーンを引き抜いた後に最初の高さからの数値を示すものです。

 

スランプが大きいコンクリートは、軟らかいコンクリートということになります。

 

水やセメントがたくさん入っていればスランプも大きくなります。

 

粗骨材の最大寸法 (単位:ミリ)

 

粗骨材、砕石(砂利)の最大寸法です。

 

一般的な建築工事では鉄筋が細かく組まれているので砕石が引っかかって空洞ができないように25㎜(プラントによっては20㎜)の砕石を使用することが多いです。

 

土木工事のトンネルや護岸工事など断面が大きく太い鉄筋があらく組まれているときや無筋のときには40㎜の砕石を使用することがあります。

 

水セメント比 (単位:%)

 

水セメント比は、水とセメントの比率を百分率で示した値です。下式で計算します。

 

水セメント比=単位水量/単位セメント量(%)

 

水セメント比が大きすぎると、強度や耐久性の不足につながり、水セメント比を小さくし過ぎるとコンクリートが流れにくくなり施工不良の原因になります。

 

セメントの水和する(固まる)のに必要な水の量は、セメント重量の40%と言われています。

 

40%を超える水分はコンクリートが乾燥するときに乾燥収縮が生じ、ひび割れ等の原因なります。

 

水セメント比が小さいほど強度は大きく、耐久性が高く、隙間が少なくなる傾向になります。

 

40%の水量ではバサバサしていて流動性が低く、ジャンカ(セメントが充填しきれずに骨材が豆のように見えてしまう)を起してしまいます。

 

国の指針では、普通コンクリートの単位水量は185kg/m3以下、水セメント比は65%以下と定められています。

 

40%から65%の間で用途や状況に合わせて強度と施工性のちょうどいい比率にすることが大切です。

 

【現場監督】施工管理や一級建築士試験の試験に役立つ知識のまとめ

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