全館空調システムはデメリットだらけ!考えるべき9つのポイント

建築の知識

全館空調システムはデメリットだらけ!

考えるべき9つのポイント

 

全館空調システムとは、専用のエアコンを導入して24時間稼働させることで家中全てを冷暖房・換気できて、いつでもどこでも室内の寒暖差を感じずに過ごせるるようにすることです。

 

近年、全館空調システムが流行し、ハウスメーカーにすすめられることが多いと思いますが全館空調システムはデメリットだらけなので導入前に考えるべき9つのポイントを専門的な目線で解説します。

 

間取りについて将来を見据えた計画になっているか?

 

全館空調システム空調能力が高いので、吹き抜けや広い間取りを作りたいときにエアコンの能力を考慮する必要がなく、広さも高さも自由に設計が出来るのが大きな魅力です。
全館空調システムで家全体を空調することで、空調の効きを気にして壁やドアで空間を仕切る必要はありません。

全館空調システムすれば

間仕切りのない開放的で子供がどこにいても

わかりますよ

子供が小さいうちはいいけど

思春期になったらプライバシーが

気にならないかな?

 

 

全館空調システムで家全体を空調することで、空調の効きを気にして壁やドアで空間を仕切る必要がなく開放的な空間を演出できるけれども、子供が小さく夫婦が同じ時間を共有できる時期はいいかもしれませんが、子供が思春期になったり長年夫婦が長年連れ添ううちにお互いに一人に時間が大切になったりするとプライバシーに配慮した空間が欲しくなるかもしれません。

 

家づくりのを考える上で今の現状に合った間取りだけではなく、10年後や20年後を考えたことも考えることが大切です。

 

家じゅう1年通して均一温度に保つ必要があるか?

 

全館空調システムで家じゅうを全て空調することで、リビング、キッチン、各居室、トイレ、洗面所、浴室まで24時間365日同じ温度で過ごすことができて、高齢者が冬場に起こしやすいヒートショックや、夏場の熱中症も予防することがきます。

全館空調システムにすれば快適ですよ

今まで家とどう違うの?

家じゅう全ての部屋を24時間空調しますよ

誰もいない部屋や留守の時も空調するの?

そうです・・・

誰もいない部屋や留守の時は空調いらないかも?

・・・

 

全館空調システムの特徴は24時間全体を空調するという特徴がありますが、本当に24時間全部の部屋を空調する必要がありますか?

 

例えば夫婦が共働きで子供が学校に行ってる場合に、昼間の冷房負荷が一番高い時間帯に家に誰もいないということになりますし、子供が小さいうちはほとんど時間は家族がリビングで時間を過ごすのにその時に誰も使用していない部屋まで空調することになります。

 

ヒートショックや熱中症のことを取り出されますが、新築購入者が高齢なら話はわかりますが、これから子育てする世代の人には40年後の課題であり40年もたてば時代も技術も変わるので今現在ヒートショックや熱中症の心配をする必要はないように思います。

 

ルームエアコンはそれほど邪魔になりますか?

 

全館空調の室内機は、空調室または収納内に設置されるので室内にエアコンやストーブや扇風機や空気清浄機を設置する必要がありません。
全館空調システムでは居室の天井に吹き出し口があるくらいなので見た目の生活感がないシンプルな印象を演出できます。

 

全館空調システムにすれば壁掛けエアコンがいらないので

シンプルなインテリアにできますよ。

それはスッキリしていいかも?

でも、今までエアコン邪魔だったかな?

 

全館空調システムを導入するメリットとしてルームエアコンが必要なくなりスッキリとしたインテリアになります。

 

高級レストランや高級ブランドならルームエアコンが気になるのですが、住宅は家族が心地よく住む場所なのでルームエアコンが気になるかというとそうでもない気がします。

 

全館空調システムでなくても24時間換気は住宅に設置されている

 

全館空調システムでは基本的に外気を適正温度にして空気を給気しての室内の空気を外に排気するということを繰り返すので、空気清浄機能を実装したシステムであれば、常に清浄な空気が保たれ、花粉やPM2.5の除去も出来るものもあり室内の空気清浄ができます。

全館空調システムにすれば全て部屋で

24時間換気ができますよ。

24時間換気できるのはありがたい!

今までの家は24時間換気がなかったの?

 

全館空調システムにしないと24時間換気ができないというわけではありません。

 

シックハウス症候群対策のため、2003年に建築規準法の改定で24時間換気システムの設置が義務化されました。

 

通常の住宅はトイレや風呂場などに24時間の換気扇が付いていて、各室には給気口があり外気を各室の給気口から取り入れ、トイレや風呂場などについている換気扇から排気するというシステムで24時間換気をしています。

 

設置費用とメンテナンスの費用と電気代が高い

 

一般的な一軒家間取りの4LDKに必要な空調設備はエアコン5台と補助冷暖房器具や空気清浄機に初期費用がかかりますが、全館空調システムにすれば1台ですべて解消できます。

本来一軒に5台必要なエアコンが

全館空調システムにすれば1台なので

得ですよ

エアコン5台より全館空調システムが安いの?

 

全館空調システム初期費用は200万~250万ぐらいかかるといわれ、ルームエアコンを5台設置しても60万かからないくらいなのでコストは全館空調システムが高いです。

 

空調機械の対応年数を20年くらいと考えると、ルームエアコンは壊れた機体を買い替えればよいですが、全館空調システムは買い替えにも高額の費用がかかります。

 

全館空調の電気代が高いことが心配される要素ですが、高気密高断熱の性能が高い住宅であれば小さいエネルギーで十分な冷暖房環境を得ることができるので電気代を抑えることができます。

全館空調システムは電気代がかかるので

高気密高断熱にすると電気代が軽減できますよ

いままでのルームエアコンでも

高気密高断熱にすれば電気代が軽減できますよね?

 

全館空調システムを導入するなら高気密高断熱にしなければ冷暖房のコストが高額になるので全館空調システムと高気密高断熱はセットといってもよいでしょう。

 

高気密高断熱の住宅にすれば当然ルームエアコンを使用しても冷暖房のコストは下げることができます。

 

メンテナンスに手間や費用がかかる

 

メンテナンスについては、ほとんどのメーカーが、フィルター掃除は2週間~1か月に1度行うことを推奨しています。
メーカーによっては、フィルターを定期的に取り換えが必要なところもあります。
殆どのメーカーは定期メンテナンスを推奨しており、また2年~10年のメーカー保証があります。

フィルターの掃除は2週間に1回で

定期的にフィルター交換すれば大丈夫ですよ

定期メンテナンスもありますよ

手間やお金がかかりそうですね?

 

全館空調システムを導入するとメンテナンス面で、フィルターの掃除の手間とフィルターを定期的に交換する費用とメーカーの定期点検費用がかかるようになります。

 

フィルターの掃除をしないとどうなるか?というと、空気の通り道であるダクトが汚れてしまうことになり、天井裏や床下に隠れているダクトは掃除することができないので汚れた空気を出し続けることになります。

 

各室で温度調整ができない

 

全館空調システムは部屋ごとに個別での温度調整ができません。
家族の中で暑がりの人と寒がりの人がいる場合は、1階と2階でそれぞれに導入することで、温度を切り替えることも可能です。

全館空調システムは各室で温度調整ができませんが

1階と2階に導入すれば1階と2階で別の温度にできますよ

2台導入すると費用が高くなりませんか?

 

全館空調システムは各室での温度調整ができないので寒がりや暑がりなど極端に体感が違う人どうしが一緒に暮らすともめる原因になる可能性があります。

 

故障したときの問題点について

 

全館空調システムが故障してしまった場合に全ての部屋の空調は止まってしまいます。修理や交換の数日間は、扇風機やヒーターなどで代用しなければなりません。

 

暖房の時に空気が乾燥するので加湿器が必要

 

全館空調システムは冬期の暖房で設定温度よりも高い温度の空気が吹き出されるので高い温度での送風が湿度を奪い乾燥しやすくなってしまいます。

 

まとめ

 

近年、全館空調システムが流行し、ハウスメーカーにすすめられることが多いといることですが、全館空調システム導入について考えるべきことについて

 

  • 10年後、20年後の将来をイメージした家づくりの計画ができていますか?
  • すすめられる快適さは、かかる費用に対して本当に必要な快適さですか?
  • メリットとデメリットの比較と費用に関する比較ができていますか?
  • メンテナンスや故障したときのリスクマネジメントができていますが?

 

全館空調システムだけでなく、家づくりにおいて上記の項目を意識することで、後で後悔しない計画を立てることができます。

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