災害に強い、燃えない、長く住める、鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート(RC)造は鉄筋の骨組みをコンクリート覆う工法で、耐震性、耐久性、耐火性を高めることができます。
RC造についての2つの構造の種類、災害に負けない耐震性、不燃材で構築された耐火性、気密性・防音性が高く断熱性が低い理由、長く住める耐久性、なぜ建築コストが高いか、SRC造とは何かについて解説します。
建築工法の種類!木造、鉄骨造、コンクリート造の3つの工法について
RC造には、ラーメン構造と壁式構造の2つの構造がある
ラーメン構造
ラーメン構造のラーメンはドイツ語で、額縁や枠という意味で柱と梁の接点がしっかり接合されていて、耐力壁や筋交いを入れなくても耐震性を確保できる構造形式です。
ラーメン構造は柱・梁のフレームで耐力を出すので、壁のない自由な空間を作ることができます。
壁式構造
壁式構造は比較的低層のマンションに多く見られ基本的に5階建て以上では採用されません。
ラーメン構造の柱と梁といった線でなる構造に対して、壁式構造は壁と床・天井といった面で構成された構造になります。
壁式構造は面で力を受けるので、耐力壁となる壁に窓などの大きな開口、床や天井に大きな吹き抜けを設けることは難しく、開口の大きさや壁の配置に制限があります。
壁式構造は柱や梁がないので室内がデコボコしないシンプルは空間になります。
耐震性が高く学校や消防署など災害時に必要な施設に使われる工法
RC造は、鉄筋の骨組みを配筋して、躯体の形になるように型枠を組みその中にコンクリートを流し込んで最後型枠を解体して作られ鉄筋をコンクリートが囲むような形になります。
コンクリートの性質は、圧縮される力に強く引張の力に弱いという性質があり、鉄筋の性質は引っ張る力に強いという性質があるのでコンクリートの弱点を鉄筋が補うことで強度を確保します。
地震の横揺れする力に対して鉄筋の引っ張り耐力で抵抗し、揺れによって加わる縦の負荷はコンクリートの圧縮耐力が支えることで高い耐震性を確保しています。
コンクリートの構造体が燃えないから耐火性が高い
コンクリートは不燃材なので、建物全体が耐火構造で通常の火事の温度では強度が低下しないので、火災発生時の建物の崩壊や他の建物への延焼を予防することができます。
鉄筋コンクリート造は鉄筋の弱点である鉄が火事などで高温になると強度を失ってしまうという性質をコンクリートが鉄筋を囲うことでカバーできます。
コンクリートは隙間がなく機密性が高いが断熱材は必要
RC造で建物を施工するときに躯体の部分にコンクリートを流し込んで固めていくので隙間ができないので室内の気密性や防音性が保たれます。
コンクリートは熱伝導性が低いため、熱が伝わりにくい性質があり、温まりにくく冷めにくい蓄熱性が高いが断熱性低い特徴があります。
夏期の日中に太陽光によってコンクリートが温められ続けても室内にはあまり熱は伝わりませんが、コンクリートそのものは加熱されているので、夜間に昼間に蓄積された熱が放出され室内の温度が高くなってしまわないように断熱材を使用するとより効果的です。
冬の場合はコンクリートの躯体が冷えた状態だと暖房を付けてもコンクリートに熱が伝わりにくいので暖房負荷を抑えるためには断熱材が必要です。
RC造は熱伝導性が低く機密性が高いので断熱材と組み合わせることで冷暖房の負荷が抑えられます。
RC造は耐久性が高く47年以上長く住める
鉄筋を放置すると空気中の酸素などによって鉄が酸化してしまうためサビてしまいますがコンクリートで囲われることでサビるのを防ぐことができます。
コンクリート内のセメントから供給される水酸化カルシウムがコンクリートを高いアルカリ状態に保つことで、鉄筋に不導体被膜という薄い酸化化合物の皮膜を形成して保護します。
鉄筋の弱点であるサビもコンクリートと併用することでサビを防ぎ鉄筋コンクリート造の耐久性を高めます。
RC造の不動産資産の耐用年数は47年ですが、寿命は60年以上とも言われ、外壁の塗り替えや屋上の防水をしっかり行えば47年よりも長く使用することができます。
施工に技術が必要で工事手間がかかりコストが高い
RC造は建築の工事が大掛かりで作業工程が多く、たくさんの業者が関わるうえにコンクリートが固まるまで待つ期間も必要になり工期も長くなり高い施工技術が必要なので費用が高くなります。
RC造は、コンクリートと鉄筋という非常に重い素材を使用していて建物全体が非常に重いので土地の地盤に応じて基礎から下を地盤補強する費用が発生する場合があります。
鉄筋コンクリート構造の建築物は、頑丈なので解体が困難で手間がかかるので費用が高いです。
RC造よりさらに強度の高い!鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造
鉄筋コンクリート造はReinforced Concrete(強化されたコンクリート)を略してRC造と呼び、鉄筋の骨組を型枠で囲いコンクリートを流し込んで造る工法で、耐震性、耐久性、耐火性を高めることができます。
鉄骨鉄筋コンクリート造はSteel Reinforced Concreteを略してSRC造と呼び、H形鋼などの頑丈な鉄骨の柱の周りに鉄筋コンクリートを施工するのでRC造よりも細い柱や梁で、強度の高い構造物を造れるので高層ビルやタワーマンションなどの大規模な建物に用いられています。
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