左官塗り仕上げ!4種類の材料とメリットデメリットを解説します。
左官仕上げの壁は温かみのある味わい深い空間が演出できますが近年は安価は既製品の貼り付け工法が増えて左官工事の数が減るにつれて職人も減り単価が高くなる現状です。
左官の仕上げについてさまざまな種類がありそれぞれの特徴を理解して家を建てる上で選択肢を増やす事は大切です。
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住宅の外観、室内の快適性に関わる外壁の種類を5つ解説します。
ジョリパット
塗料に砂などを混ぜたモルタル外壁用意匠性塗材のことで、「ジョリパット」はアイカ工業の商品名です。
フランス生まれの塗り壁材でカラフルで模様の付いた壁の代表格で主に外壁に施工します。
パステルカラーとコテ模様でデザインの組み合わせが豊富です。
メリット
耐久性が高い
ジョリパットの耐用年数は15~20年と言われ、仕上げ用の外壁材の中では長い部類になります。
ジョリパットが硬化すると、粘性を持った厚い塗膜を形成し負荷がかかったときに追従してひび割れの発生を防ごうとします。
意匠性が高い
表面を仕上げる際に、櫛で引いたりコテで扇型に撫でたりする和風デザインや大理石調タイプなどの洋風デザインを演出することができます。
仕上げのパターンに加えて、塗料の色味や、屋根や付帯部の素材と調和させることで多様なデザインに対応できます。
人体に安全
ジョリパットはフォースター(F☆☆☆☆)を取得している安全性の高い商品です。
ジョリパットの中には、調湿効果・消臭効果・除菌効果を持つタイプなどがあるので参考にするとよいです。
デメリット
ひび割れに注意
ジョリパットそのものは弾性が高く、ひび割れの起こりにくい素材ですが下地となるモルタルなどが建物の揺れや経年劣化で割れてしまった場合に追従できずにジョリパット塗装も割れてしまうことがあります。
職人の技量に左右される
ジョリパットは思いのままのデザインが可能ですが、施工は手作業なので職人さんの技術力が問われます。
汚れやすい
ジョリパットは表面が凸凹したデザインのものが多いのでホコリなどの汚れ溜まりやすくなってしまいます。
珪藻土
プランクトンの死骸が蓄積した泥土を含有した塗り壁材で色々な効果が確認されています。
自然が生み出した鉱物なので無数の微細な穴を持ち、耐火性や吸水性、吸着性、消臭性、保湿・調湿性など、たくさんの優れた性質を持っています。
調湿効果が優れているので珪藻土を塗った部屋に入る心地よい感じがします。
メリット
調湿できる
珪藻土に空いている無数の小さな穴が湿気を自動で吸ったり出したりします。
夏場の暑く湿気が多い場合は湿気を吸収し、冬場の寒く乾燥している場合は放出するので快適性が増します。
脱臭、消臭効果がある
におい分子は空気中の水分子に付着しているので湿気を吸収する際に、におい分子も一緒に吸収してくれるので脱臭効果があります。
火に強い
珪藻土は、1,200℃前後の融点を持つ七輪やコンロ、耐火レンガに使われるほど耐火性があります。
種類が豊富
珪藻土では顔料を混ぜることで数十種類から数百種類の色を出せるので多くのデザインに対応できます。
人体に安全
珪藻土は珪藻という植物プランクトンの死んだ殻が沈殿して化石になった土をからできる自然素材なので安心です。
デメリット
ぼろぼろ粉が落ちやすい
なでると粉がぼろぼろ落ちる場合があります。
吸水性があだとなり、醤油をこぼすと染みになる。
ヒビが入る
素材が土のため地震や道路からの振動で建物がゆれた場合にひびが発生する可能性があります。
職人の技量に左右される
施工は手作業なので仕上がりが左官職人の腕に依存する。
漆喰 しっくい
姫路城など日本の伝統的な建物や海外の白い塗り壁など世界的に古くから利用されている建材です。
石灰石を焼いて水を加えた消石灰(水酸化カルシウム)に糊(のり)やスサを加えて、水で練ったものが漆喰です。
石灰石はサンゴの群生したサンゴ礁が長い年月をかけて地殻変動などで隆起してできた石灰鉱脈で採掘します。
原料が天然素材で出来ており特に防カビ効果が優れています。
メンテナンス性が良い
漆喰の成分である消石灰が静電気を溜め込まない性質があるため、ホコリや汚れなどを付着させにくいので時間が経ってもほとんど変化なく保つことができます。
平滑仕上がりにできる
漆喰は消石灰を使用しているので平滑な仕上がりで真っ白になりとても美しくなります。
調湿作用がある
漆喰は繊細な多孔質な素材なので吸湿・放湿性に優れ居住空間を快適なものにしてくれます。
デメリット
ひび割れが起こる
漆喰の主成分である消石灰が水分の吸収や放出をするので季節や天候・気温などの影響を受けやすく濡れてたり乾いたりすると、ひび割れが起こりやすくなります。
職人の技量に左右される
施工は手作業なので職人さんの技術力が問われます。
種類がない
基本漆喰は真っ白で平坦に仕上げるのでシンプルなデザインになります。
白は汚れが目立ちやすいという欠点もあります。
聚楽 じゅらく
今の和室はビニルクロスの聚楽柄を使うことが多いですが昔の和室に使われた仕上げです。
もともと京都付近に産する土を仕上げに用いた緑や黄色の代表的な和風の塗り壁ですが最近ではきめの細かい砂壁状の仕上げの表面状態を指していることが多いです。
メリット
意匠性が高い
茶室の外壁や和室の内壁などの古くからある建物によく使用されており、あたたかみのある独特の風合いが好まれています。
デメリット
汚れが落ちにくい
ザラザラとした手触りの表面になるので汚れたときに雑巾などの布製品では掃除がしにくく手間がかかります。
職人の技量に左右される
施工は手作業なので職人さんの技術力が問われます。
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